
新年度を迎え、社会全体の空気も昨年度とは大きく変わる季節となりました。桜の開花も始まり、桜前線の北上とともに、各地で花々が咲き誇り、春の訪れを実感する時期となっております。
国においては、2026年度の暫定予算が11年ぶりに可決され、高校授業料の無償化や小学校給食の無償化などの新たな施策が盛り込まれました。一方で、中東情勢の緊迫化などの影響により物価高騰は依然として続く見込みであり、社会保険制度の改革や年金の見直しが進められる中、高齢者をはじめとする住民の生活不安は一層高まる状況にあります。
当法人におきましては、入所者支援のさらなる充実を図るため、養護老人ホームおよび特別養護老人ホームにおいて担当エリア制を導入するとともに、職員の配置転換を実施いたしました。新入職員を含めた総勢51名の体制にて、令和8年度の事業を開始いたします。
また、団塊の世代がすべて後期高齢者となり、本格的な超高齢社会・多死社会が到来しております。医療や介護を必要とする方の増加に加え、一人暮らし高齢者や認知症の方、身寄りのない方の増加、さらには孤立や生活困窮といった複合的な課題が顕在化しており、介護・福祉・医療を横断した支援の重要性がますます高まっています。地域課題への対応とともに、個別支援のさらなる充実が求められています。
以下に、本年度の事業方針および重点目標を掲げます。
≪法人本部の重点項目≫
- 養護老人ホームの改築および特別養護老人ホームの改修に向けた取り組みの着手と財源確保
- 職員処遇の改善と働きやすい職場環境の整備
- キャリアパス制度を活用した人材育成と資格取得支援
- 施設間・部署間の連携強化および情報発信の充実、ソーシャルワーク機能の強化
- 利用者の安全を最優先とした各種対策の強化
≪養護老人ホームの事業方針および重点目標≫
近年、養護老人ホームの入所者は、従来の経済的困窮者にとどまらず、虐待被害者や精神疾患、知的障害・発達障害を抱える高齢者が増加しています。このため、従来の生活支援に加え、複合的な課題に対応する支援体制の構築が求められています。
また、「措置控え」等の課題もあることから、地域包括支援センターや医療機関の相談窓口と連携し、適切な入所対象者の確保に努めてまいります。
(重点目標)
- 利用者ニーズに応じた施設内外の行事および余暇活動の充実
- 協力医療機関との連携による健康維持の推進
- 認知症や精神疾患に関する知識・対応力の向上を目的とした研修参加および資格取得の推進
- 施設間・部署間の連携強化と情報共有の徹底
- 地域包括支援センターや医療機関等への入所促進に向けた啓発活動
≪特別養護老人ホームの事業方針および重点目標≫
介護職員の処遇改善に向け、2026年度中に期中改定が実施される方針が示されており、賃金改善と処遇向上を目的とした支援策が展開される見込みです。慢性的な人材不足や物価高騰への対応として、その効果が期待されています。
本施設においては、これらの動向を踏まえ、処遇に見合った体制整備を進めるとともに、業務の効率化や多様な人材育成を通じて「生産性の向上」に引き続き取り組んでまいります。その成果として、入居者への介護サービスの質のさらなる向上を目指します。
また、これまで段階的に介護報酬加算を取得してきた実績を踏まえ、本年度も収益性の高い加算の取得に努め、安定した運営基盤の確立を図ります。
≪デイサービスセンターの事業方針および重点目標≫
利用者一人ひとりの心身の状態や生活背景を尊重し、自立支援を基本とした安心・安全なサービス提供に努めます。また、ICTの活用や業務改善を通じて職員の負担軽減と業務効率化を図り、サービスの質の向上と安定した事業運営を目指します。
さらに、居宅介護支援事業所や訪問介護、ショートステイ等との連携を強化し、利用者の状況に応じた切れ目のない支援を実施するとともに、法人内サービスへの円滑な移行を見据えた体制づくりを推進してまいります。
社会福祉法人青松園においては、少子高齢化および人口減少の進行により、事業の継続と発展のためには、多様な人材の確保と定着が重要な課題となっています。
就労意識やキャリア観が多様化する中、処遇面のみならず、働きやすい職場環境の整備に取り組み、職員一人ひとりの価値観や働き方を尊重した組織づくりを進めてまいります。
今後も、地域のセーフティーネットとしての役割を果たすべく、施設機能および経営基盤の充実を図り、利用者およびご家族のニーズに沿った安全・安心なサービスの提供に努めてまいります。
引き続き、皆様のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
令和8年4月1日
社会福祉法人青松園

